『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』感想|経済的自立を考える
概要
『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』は、著者のジェイエル・コリンズ氏が、娘さんのために書いたブログをもとに作られた本です。
テーマは、経済的な自立。
著者が伝えたいことは、とてもシンプルです。
- 借金をしない
- 支出を収入より少なくする
- 余裕資金を投資に回す
この3つを続けて資産を作り、お金に縛られない生き方を目指します。
経済的な自立とは
著者の言う経済的自立とは、生活費を資産からの収入でまかなえる状態です。
つまり、会社に縛られない生き方を目指します。
経済的自立とは、選択肢を持っているということです。
経済的自立を達成した時点で、楽しく生活するか、引き続き仕事を頑張るか、あるいは新しいことを始めるかを選択することができます。
私は、「選択肢を持ちたい」と考えるようになりました。
借金をしない
借入金があると、収入の一部を元金や利息の返済に回さなければなりません。
その分、投資に使えるお金も少なくなります。
著者は、強い言葉で借金を避けるよう勧めています。
利息を払っても手に入れたいと思うほど、価値のあるものはありません。
支出は収入より少なくする
本書では、収入が多くても、それ以上に使えば資産は残らないという例として、マイク・タイソンさんが紹介されています。
収入をあるだけ使っているのは、お金にまみれた奴隷でしかない。
表現は強めですが、
収入を増やすだけでなく、支出をコントロールすることも大切
という考え方には共感しました。
余裕資金を投資する
本書で紹介されている投資方法は、とてもシンプルです。
低コストのインデックスファンドを購入し、長期間保有します。
推奨されているファンドは、次の2つです。
①株式:VTSAX
バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックスファンド
②債券:VBTLX
バンガード・トータル・ボンド・マーケット・インデックスファンド
資産を積み上げる段階(主に若い頃)では、全額を①株式に投資することが推奨されています。
著者は、
すべての卵を1つのカゴに入れて、そのことを忘れましょう。
と述べています。
ただし、ここでいう「1つのカゴ」(=VTSAX)は、米国株式市場のほぼ全てをカバーしているファンドです。
経済的自立を達成した後は、②債券のVBTLXを加えることが勧められています。
また、資産を積み上げる段階でも、株価の変動が不安な人には、債券を組み合わせる方法が紹介されています。

VTSAXにはVTI、VBTLXにはBNDという、それぞれ同じ指数への連動を目指すバンガード社のETFがあります。
VTIとBNDは、楽天証券やSBI証券の外国株口座を開設すれば購入することができます(2026年時点)。
ただ、私が調べた範囲では、日本語の情報が少ないと感じました。
私の場合、よく知らない商品を持ち続けるのは不安なので、購入していません。
その代わり、オール・カントリーなどの低コスト投資信託を積み立てています。
資産の引き出し方法
経済的自立を果たした後の、資産の引き出し方法として、4%ルールが推奨されています。
4%ルールとは、「株式と債券を半分ずつ保有するポートフォリオから年4%を引き出し、インフレ率に応じて調整する」というものです。
このモデルでは、30年後に96%の確率で資産が残っていたという結果が出たそうです。
4%は1つの目安にすぎません。よく考えて柔軟に対応できることが引退生活に安定をもたらします。
私はこのルールを、自分のセカンドライフに当てはめてみました。
計算してみると、将来の見通しが立ち、少しホッとしました。
この計算については、別の記事で書こうと思います。
感想
この本は、私が本格的につみたてNISAを始めるきっかけになった、思い出深い一冊です。
本書が日本で発売されたのは2020年。
その少し前には、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も登場していました。
私はこの本を読んだことをきっかけに、一般NISAからつみたてNISAへ口座を変更しました。
また本書には、過去のデータをもとに、暴落時でも投資を続けるための根拠や考え方、心構えが書かれています。
初心者にとっては、
株価が下がっても、慌てずに持ち続ける
という考え方を身につける助けになると思います。
こんな人に合いそう
本書はタイトルどおり、父親が娘に話しかけるような、分かりやすい言葉で書かれています。
そのため、
- 投資をこれから始めたい人
- インデックス投資の基本的な考え方を知りたい人
- 経済的自立に興味がある人
には読みやすい一冊だと思います。
一方で、すでにインデックス投資について学んでいる人には、目新しい内容はそれほど多くないかもしれません。
また、紹介されている投資商品や税制などはアメリカ向けです。
日本での具体的な投資法を知りたい方は、別の本もご覧ください。
気になる方はこちら
『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』
ジェイエル・コリンズ 著
最後に
本書でも紹介されているウォーレン・バフェットさんの言葉に共感しました。
ダウ平均が19世紀末に66ドルで始まり、100年後に11,400ドルになっているのに損するなんて、どうやればできるのでしょうか?ところが、多くの人は損をしています。それは、うまくやろうとして、市場から出たり入ったりを繰り返したからです。
市場から出たり入ったりせず、シンプルな方法を続ける。
私はこの本から、その大切さを学びました。
